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矯正治療の副作用および注意点

2022年7月22日

みなさん矯正治療楽しんでますか?

こんにちは。稲沢 下津宮西町の稲沢矯正歯科クリニック、院長の吉廻(よしざこ)です。

 

今回は、「矯正治療の副作用および注意点」についてお話をさせていただきます。

 

 

目次

■矯正治療の副作用やリスク

 

◎矯正治療には副作用やリスクが存在します

 

矯正治療では、歯に力をかけて歯を動かします。

 

矯正は歯の移動や矯正装置の装着にともない、さまざなな副作用が起きる可能性があります。治療によって生じるリスク(怪我や器具の破損など)もあります。

 

 

■矯正治療の副作用と対処方法

 

矯正治療で起きる可能性がある副作用とリスクは以下のようなものがあります。

 

〇矯正開始直後の不快感や痛み

 

矯正装置をつけたことにより、矯正開始直後に不快感や痛みを歯に感じることがあります。

 

<対処方法>

 

痛みは数日間~1週間程度でおさまります。異常な痛み(ガマンできないほどの強烈な痛み)がでないかぎり、特に対処はいたしません。

 

〇治療期間の延長、治療方針の変更、追加の治療

 

歯の動き方によっては治療期間が延長することがあります。治療方針の変更や追加の治療が必要になることもあります。

 

<対処方法>

 

治療期間を延長して矯正を継続します。治療方針の変更や追加の治療が必要な場合は患者様の同意を得たのち、治療方針の変更および追加処置を行います。

 

〇むし歯や歯周病のリスク

 

ワイヤー矯正では矯正終了までブラケット装置を外せません。装置と歯のあいだに汚れや歯垢が溜まりやすくなり、むし歯や歯周病にかかるリスクが高くなります。

 

<対処方法>

 

矯正装置に対応した歯磨き方法(セルフケアの仕方)をお教えします。通院時には歯および装置周辺のクリーニングを行います。

 

〇歯根吸収(歯の根が短くなる)

 

矯正治療は力をかけて歯を動かすため、多少の歯根吸収が発生します。歯根吸収によって歯の根が短くなることもあります。

 

<対処方法>

 

ワイヤー矯正ではなくマウスピース矯正にすることで歯根吸収が起きにくくなります。
歯を移動させるときにはジグリング(さまざまな方向へ歯を動かすこと)をなるべく行わないようにします。

 

〇歯ぐきの退縮(歯ぐきが下がって歯根が露出する)

 

矯正治療では拡大矯正(歯列を外側に広げる矯正)によって歯ぐきの退縮が起きることがあります。生まれつき歯槽骨が薄い方や歯周病などで歯槽骨が薄くなっている方も歯ぐきの退縮が起きやすいです。

 

<対処方法>

 

非抜歯による拡大矯正はしないことで歯ぐきの退縮を避けやすくなります。
歯ぐきの退縮を防ぐには歯根を歯槽骨の中に収めることを意識しながら矯正を行うことが大切です。
矯正治療開始前に歯ぐきの組織移植手術を行い、歯ぐきを厚くしておく方法もあります。

 

〇矯正装置による口内の怪我や口内炎

 

ワイヤー矯正の場合、ブラケット装置によって頬の粘膜や唇の粘膜を傷つけてしまうことがあります。傷がもとで口内炎になる場合もあります。

 

<対処方法>

 

口内の怪我が多い場合はブラケット装置にワックスを塗り、カバーします。

 

〇骨と歯の癒着

 

ごくまれにですが、矯正中に顎の骨(歯槽骨)と歯根が癒着することがあります。

 

<対処方法>

 

抜歯を行い、空いたスペースを矯正治療で閉じます。

 

〇歯の神経の壊死

 

ごくまれにですが、矯正中に歯の神経が壊死することがあります。

 

<対処方法>

 

歯にかける力を弱めることで歯の神経の壊死を避けやすくなります。
すでに神経の壊死が起きてしまった場合は、根管治療を受けていただきます。

 

〇金属アレルギー

 

金属製の矯正装置によって金属アレルギーがひきおこされることがあります。

 

<対処方法>

 

セラミックやプラスチック製の矯正装置に変えることで金属アレルギーの症状を軽減できます。
非金属のアライナー(マウスピース)を使うマウスピース矯正(インビザライン)を行う方法もあります。

 

〇顎関節症(顎の関節が痛む、顎の関節から音が鳴る、など)

 

矯正中に顎の関節が痛む、顎の関節から音が鳴る、口が開けにくいなどの顎関節症の症状がでることがあります。

 

<対処方法>

 

痛みが強くない場合は特別な対処は行わず様子を見ます。
痛みが強くガマンできない場合には歯にかける力を弱めたり、矯正装置を外すこともあります。鎮痛剤を処方する場合もあります。

 

〇歯のエナメル質のひび(エナメルクラック)、歯のかぶせ物の破損

 

矯正終了時に矯正装置を外す際、歯のエナメル質にひびが入ったり、歯のかぶせ物が破損することがあります。

 

<対処方法>

 

ひびが微小な場合、特に対処はせず様子を見ます(歯の再石灰化作用によりひびが修復されるのを待ちます)。
ひびが大きい場合にはレジンで補修をしたり、かぶせ物による補綴を行い対処します。

 

 

■矯正中の注意点(してはいけないこと)

 

矯正治療中には、してはいけない注意点がいくつかあります。注意点はワイヤー矯正とマウスピース矯正でそれぞれ異なります。

 

●ワイヤー矯正中にしてはいけないこと

 

・「前歯でかじりついて食べる」

 

カットしていないお肉や大きなりんご、とうもろこしなどを前歯でかじりついて食べると矯正装置が外れたり変形・破損することがあります。

 

<対処方法>

 

前歯でかじりつくように食べるのは避けてください。小さくカットして奥歯で噛めば大丈夫です。

 

・「硬い物や歯にくっつく物を食べる」

 

氷や飴玉、硬いおせんべいなどをかじると矯正装置が外れたり変形・破損することがあります。キャラメルなどのお菓子は歯や矯正装置につきやすく、むし歯の原因になります。

 

<対処方法>

 

矯正中は硬い物をかじらないようにしてください。
キャラメルやハイチュウなどの歯や矯正装置にくっつきやすい食べ物はおひかえください。

 

●マウスピース矯正中(インビザライン)にしてはいけないこと

 

・「1日の装着時間を守らない」

 

インビザラインは1日20時間以上、マウスピースの装着が必要です。1日の装着時間を守らなかった場合、矯正効果が最大限に引き出されず、歯がしっかり動かないことがあります。

 

<対処方法>

 

矯正期間中は定められた1日の装着時間をお守りください。

 

・「マウスピースをつけたまま飲食する(水だけはOK)」

 

矯正期間中、マウスピースをつけたまま飲食するとマウスピースと歯のあいだに食べ物や飲み物が入り込み、むし歯や歯周病、歯の着色をひきおこす原因になります。マウスピースをつけたまま食べ物を噛むことで奥歯の沈み込み(歯が歯ぐきに埋まってしまうこと)が進むおそれもあります。

 

<対処方法>

 

飲食時にはかならずマウスピースを外してください。水だけはマウスピースをつけたままで飲んでも大丈夫です。無糖のお茶やコーヒーもマウスピースをつけたまま飲めますが、歯に着色しやすくなります。歯の色が気になる方は無糖のお茶やコーヒーを飲むときにもマウスピースを外した方が良いです。

 

【矯正治療の副作用やリスクを知っておくことが大切です】

 

矯正治療は歯に力をかけて歯を移動させる治療です。治療にともなう副作用やリスクは少なからず存在します。

 

どのような医療行為もそうですが、「絶対安全」「100%、副作用やリスクはない」治療はありません。矯正治療をご納得してお受けいただくためには、治療開始前に患者様ご自身が矯正治療の副作用やリスクを知っておくことが大切です。

 

稲沢矯正歯科では、事前処置で回避しやすくなる副作用やリスクについては前もって対処し、トラブルの発生率を減らす対策を行っています。矯正中に副作用やトラブルが起き、処置や追加の治療が必要な場合には迅速に対処いたします。

 

「矯正で起きる副作用やリスクが心配」など、矯正治療に関する疑問やご不安がある方は、無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。当院が行っているリスク対策および治療方針について詳しくご説明をさせていただきます。