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稲沢矯正歯科クリニックBLOGBlog

矯正治療の流れ⑤保定ー保定とは?保定を行う理由や保定期間について

2022年7月22日

みなさん矯正治療楽しんでますか?

 

こんにちは。稲沢 下津宮西町の稲沢矯正歯科クリニック院長の吉廻(よしざこ)です。

 

前回は当院の④矯正治療の特徴についてお話をさせていただきました。

今回はいよいよ、最後の⑤保定になります。

 

念のため、矯正治療の流れを書いておきます。

 

①矯正相談

  ↓

②精密検査

(お口の中やお顔の写真撮影、レントゲン撮影、歯の型取り)

  ↓

③診断

(検査の結果を患者様にお伝えする、治療方針の立案、治療期間や料金のご説明)

  ↓

④矯正治療

  ↓

⑤保定

(治療後、新しく並べた歯の位置で固定し、体になじませる期間)

 

 

■保定とは

 

◎歯が後戻りしないよう、新しく並べた歯の位置を体になじませる期間

 

矯正治療終了後は、歯並びがまだ安定していません。保定とは、新しく並べた歯の位置が後戻り(元の位置に戻ってしまうこと)しないよう、体になじませる期間です。

 

◎リテーナー(保定装置)を使って歯並びを安定させます

 

保定期間中は、リテーナーと呼ばれる保定装置を使って整った歯並びを安定させます。リテーナーには以下のような種類があります。

 

・取り外し可能なタイプ

・取り外しできないタイプ(ボンデッドタイプ=主に前歯の保定で使います)

 

取り外し可能なタイプのリテーナーには以下のような物があります。リテーナーはプラスチックとワイヤーでできている物が多く、ブラケット装置と比べるとシンプルな作りとなっています。

 

・ベッグリテーナー(表側がワイヤー、裏側がプラスチック)
・ホーレーリテーナー(表側がワイヤー(前歯のみ)、裏側がプラスチック)
・QCMリテーナー(奥歯がワイヤー、前歯と裏側がプラスチック)
・クリアリテーナー(透明なマウスピース)
・リンガルリテーナー(裏側がワイヤーで歯の裏側につけるリテーナー)

 

◎保定の大切さ

 

「矯正治療が終わったのに、まだ装置をつけるの?」

 

保定のことを聞くと、このように感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

歯列矯正は歯を動かす「動的治療(前半)」と整った歯並びを安定させる「保定(後半)」の2つで構成されています。保定は歯列矯正の半分(後半部分)を構成する大切な要素です。

 

矯正治療終了後は、新しい歯並びがまだ体になじんでいません。新しい歯並びに対し、体は「あれ?いつもの歯並びじゃない!元に戻さなきゃ!」と、歯並びを元の位置に戻そうとします。保定は、「おかしくないよ この歯並びで良いんだよ」と体に教え、新しい歯並びをなじませるための期間です。

 

もし、保定をしなかったら、せっかく長い期間をかけて整えた新しい歯並びが元の位置に戻ってしまいます。

 

矯正のイメージは歯を動かす動的治療を連想される方が多いのですが、実は、保定も動的治療と同じくらい重要です。

 

 

■リテーナーの装着時間や保定期間、保定中の通院頻度について

 

◎最初は1日20時間以上、徐々に装着時間を減らしていきます

 

保定で気になるのがリテーナーの装着時間ですよね。装着時間については、矯正治療終了後の半年間程度は、1日に20時間以上、リテーナーを装着します。リテーナーは取り外し可能です(取り外せないタイプもあります)。食事と歯磨き以外はリテーナーをつけて生活していただきます。

 

その後、歯並びが安定してくるにつれ、1日に20時間から、15時間、12時間と、徐々にリテーナーの装着時間を減らしていきます。保定期間の終盤には就寝時のみの装着となり、最後はリテーナーの装着をやめます(ただし、リテーナーをつけ続けた方が良い場合もあります)(※)。

 

※リテーナーの装着時間は患者様や歯並びの安定度によって異なります。

 

◎保定期間は「矯正治療にかかった期間」と同じくらいの期間が必要です

 

保定期間は、最低1年~矯正治療にかかった期間と同程度の期間が必要です。たとえば矯正治療を2年行った場合、2年程度の保定期間が必要になります。ケースによっては、矯正治療の期間よりちょっと長めに保定期間を設定する場合もあります。

 

◎保定中の通院頻度は1か月~数か月に1回

 

保定期間中の通院頻度については、矯正治療の終了直後は1か月に1回、その後は2~3か月に1回、半年に1回、と徐々に通院頻度が少なくなります。保定期間の終わりが近づくにつれ、最終的には通院しなくても良くなります。ただし、整った歯並びを維持するためには、保定終了後も1年に1回程度、定期検査(歯並びや歯の健康状態のチェック)をお受けいただくことをおすすめしています。

 

【保定も動的治療と同じように楽しみましょう】

 

保定は動的治療(歯を動かす治療)と同じくらい、大切な期間です。保定をしっかり行うことで新しい歯並びが体になじんでいき、歯並びの安定につながります。

 

「また、装置をつけるのか」と、保定をネガティブにとらえるのではなく、「新しい歯並びに生まれ変わる大切なステップ」と考えると、保定期間をポジティブに過ごしやすくなります。

 

どうぞ、保定を楽しんでください。生まれ変わったご自身の歯並びをいたわってあげてください。保定が進むにつれ、安定する歯並びをご実感できるかと思います。