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稲沢矯正歯科クリニックBLOGBlog

妊婦さんの歯科治療

2023年3月30日

 

 

みなさん矯正治療楽しんでますか?

こんにちは。稲沢 下津宮西町の稲沢矯正歯科クリニック、院長の吉廻 守(よしざこ まもる)です。

今回は妊婦さんの歯科治療について解説していきます。

 

目次

妊娠中は口腔トラブルがおきやすい?

 

 

今までに妊娠をしたことがある方は、出産までの期間がどれだけ大変な生活になるかよくご存じだと思います。色々なマイナートラブルに悩まされ、苦労した方も多くいらっしゃるでしょう。 実は口腔トラブルも、決して例外ではありません。 あなたは「一子を得ると一歯を失う」というフレーズを耳にしたことがありますか? これは「妊娠中は口腔トラブルで歯を失くしやすい」「出産をきっかけに歯が悪くなる」といった意味を持つ言葉です。 というのも妊娠中は、女性ホルモンの増加にともない歯周病菌が増えやすい環境になります。加えてつわりの影響で食事の好みが変化したり、ブラッシングのときに嘔吐反射が起きたりするケースもよく耳にします。中には「食べづわり」で食事の回数がグッと増え、口腔トラブルに罹患しやすくなる方もいらっしゃいます。 ただ妊娠中に通院するとなると、体調不良によるドタキャンの心配などがありますよね。歯科医院側としては患者さまの体調を最優先させてほしいですが、気にされる方は多いと思います。 だからといって、初期段階の口腔トラブルに患者さまご自身で気付くことは容易ではありません。適切な時期に歯科健診を受けて、早期発見・治療に努めましょう。 母体の健康状態が胎児に影響する可能性もゼロとは言い切れないため、心身ともに健康な状態であることが理想です。 ご自身の体調と相談しつつ、無理のないタイミングで受診しましょう。つわりに苦しんでいる時期や、お腹が出て身動きがとりにくくなる妊娠後期は極力避けるのがベターです。

 

 

妊娠中の過ごし方や歯科治療について

 

●妊娠初期(15週以前)
妊娠8週頃までは外部の影響を受けやすいため、慎重な治療が必要不可欠です。歯痛や歯茎の炎症が見られる場合でも、応急処置に留めるケースが多いでしょう。その場合、治療の続きは安定期に入ってから行うことになります。 つわりが重くブラッシングが困難な場合は、様子を見ながら短時間で口腔ケアを済ませましょう。どうしても歯ブラシが使えなければ、食後にうがいをするだけでも違います。 またヘッドが小さめの歯ブラシや、無香料の歯磨き粉を使うのもおすすめです。さらに、前かがみになって下向きで磨くことでラクになる場合もあるでしょう。 加えて糖分が多い食品や酸性の飲食物を避け、だらだら食べることをやめれば、清潔な口腔状態を保てるはずです。

 

●妊娠中期(16〜27週)
胎児が安定する時期(安定期)に突入すると、歯科治療の多くは問題なくできるようになります。局所麻酔や投薬、レントゲンも可能となるでしょう。 中には「妊娠中のレントゲン撮影」に不安や疑問を抱く方がいらっしゃるかもしれませんが、歯科用のレントゲンは例外です。 歯科医院におけるX線撮影は、腹部との距離があり、胎児に影響を及ぼす心配がまずないと考えられているためです。防護エプロンを着用することで、被ばく量をさらに軽減させられるでしょう。 歯科医師に妊娠週数を伝えて、適切な方法による撮影と診断を受けることが大切です。 また局所麻酔に関しても、胎児に悪影響を及ぼす心配はありません。多量に注入しない限り、母子への危険性はないと報告されています。なお歯科医院で使用されるのは「キシロカイン」と呼ばれる麻酔で、無痛分娩に用いられるものと同じです。 不安な気持ちが残る方もいらっしゃるかもしれませんが、麻酔なしで痛みに耐えながら治療を受ける方が、ストレスがかかって母子に悪影響を及ぼす恐れがあります。 妊娠中は服用できる薬が限られていますが、セフェム系やペニシリン系の抗生物質、あるいはカロナールやアセトアミノフェンといった鎮痛薬であれば服用できるとされています。 無理に服用を我慢して、痛みや炎症に耐える方が体に負担がかかって危険です。妊娠週数を正しく伝えて、処方された薬を歯科医師の指示通りに服用すれば問題はありません。用法用量を守って、ただしく服用しましょう。

 

●妊娠後期(28週以降)
お腹が大きくなる妊娠後期は、診察台で仰向けになるのが難しくなります。早産のリスクもあるので、いったん応急処置に留めて産後に再開するのがよいでしょう。

 

 

なお一部では、歯周病の母体から早産や低体重児の出産が起こる可能性は「通常の約4.3倍」であるという報告が行われています。 妊娠中は色々なトラブルに悩まされる大変な時期ですが、体調と相談しながら適切なタイミングでケアを受けましょう。一番よいのは、妊娠中に通院しなくても済むよう日頃から口腔ケアと定期健診の受診に取り組むことです。 この記事を読んで「しばらく歯医者に行っていないなぁ」と思った方は、これを機に歯科医院で口腔状態を診てもらってはいかがでしょうか?