みなさん矯正治療楽しんでますか?
こんにちは。稲沢 下津宮西町の稲沢矯正歯科クリニック、院長の吉廻 守(よしざこ まもる)です。
とつぜんですが、皆さんは「歯科矯正」は何を治すと思いますか?
「歯並びでしょ」と答える方が多いかと思います。ところが、歯科矯正は歯並びだけを治す歯科治療ではありません。
歯科矯正は歯並びを整えて綺麗にし、同時に、噛み合わせも考慮して治療を行います。
今回は「歯並びと噛み合わせ」についてお話をさせていただきます。
目次
歯科矯正で行うこと
歯並びを綺麗に整え、噛み合わせも考慮して治療を行います
歯科矯正では、最初に「レベリング」という治療を行い歯の位置や歯の高さを綺麗に揃えます。レベリングを行うことで歯のガタガタがなくなり、歯の位置や高さが揃った綺麗な歯並びができあがります。
レベリングが終わったら、次に「ディスタルムーブ(遠心移動=歯を後ろに動かすこと)」を行い、犬歯や前歯を後ろに動かします。
そして最後に「ディテーリング」を行い、上下の歯がしっかり噛み合うように噛み合わせの調整をします。
ディテーリングは重要な「最後の仕上げ」
歯科矯正では最初にレベリングを行い、歯の位置や高さが揃えられます。一見すると、レベリングだけで歯並びが治って見えるため、大丈夫なカンジになります。しかし、レベリングでは噛み合わせは治っていません。抜歯した歯のすき間が空いていたり、噛み合わせも合っていない状態です。
噛み合わせが合っていないと、食べ物を噛んだときにあごにアンバランスな負担がかかったり、歯を痛める原因になります。矯正治療後の後戻りも起きやすくなります。
歯科矯正ではレベリングの後に前歯や犬歯を動かし、最後の仕上げとして噛み合わせを調整するディテーリングを行います。ディテーリングでは1本1本、細やかに歯の位置を調整して上下の歯がしっかりと噛みあうように治療を進めていきます。
「歯並び」と「噛み合わせ」の違い
歯並びと噛み合わせは似ているようで、まったく意味が異なります。歯並びと噛み合わせには以下のような違いがあります。
歯並び=歯の見た目
歯並びとは、歯の見た目(歯列の並び方)を指す言葉です。きちんと噛める、などの機能的な意味は含まれません。
歯科矯正の最初に行うレベリングでは、以下の「良い歯並び」を基準に歯の位置や高さを揃えていきます。
[良い歯並び]
①前歯の真ん中にある中心線がずれておらず、上下できっちり合っている
②噛んだときに奥歯にすき間がない
③上の前歯が下の前歯に2~3mm程度、覆いかぶさっている
④歯の大きさが揃っており(バラつきがない)、歯にねじれや大きな傾きがない
⑤歯並びがガタガタ、デコボコではない
⑥歯が歯槽骨(あごの骨)のライン上に収まっている
噛み合わせ=歯やあごの「噛む」機能
噛み合わせとは、歯やあごの「噛む」機能面を指す言葉です。見た目ではなく、歯やあごを使ってしっかり噛めるかどうかを指す言葉が「噛み合わせ」です。
歯科矯正の最後の仕上げで行うディテーリングでは、以下の「良い噛み合わせ」を基準に歯の位置を調整し、上下の歯がしっかり噛み合うよう治療を進めていきます。
[良い噛み合わせ]
①犬歯から後ろの歯が、上の歯1本に対して下の歯2本でしっかり噛み合っている(この状態を「1歯対2歯(いっしたいにし)」と呼びます)
②上下の第一大臼歯(前から6番目の歯、奥歯)がしっかり噛み合っている
③歯を噛んで左右に動かしたとき、犬歯や前歯、奥歯が歯の動きをガイドしてコントロールしてくれる(犬歯誘導、グループファンクション)
④上の前歯が下の前歯に2~3mm程度、覆いかぶさっており、なおかつ、上の前歯が下の前歯よりも2~3mm程度前にある
⑤食べ物を噛んだとき、噛んでいない方の反対側の上下の歯が離れている
【噛み合わせを考慮して矯正治療を行います】
稲沢矯正歯科では、歯並びを整えるのはもちろんのこと、噛み合わせも考慮して矯正治療を行います。
噛み合わせを考慮して治療を行うことで食べ物をしっかり噛めるようになり、歯やあごが痛みにくくなります。正常な噛み合わせになると、矯正治療後の後戻りが起きるリスクも減らせます。
「他院で受けた矯正治療の後、歯やあごが痛む」
「矯正を受けたが、顎関節症になってしまった」
など、矯正後の噛み合わせや歯やあごの痛みでお悩みの方は、当院までご相談ください。セカンドオピニオンも随時、受け付けております。
かかりつけの矯正歯科または歯科医院がある場合には、初診の際に「セカンドオピニオン」であることをお伝えください。第3者による観点から、客観的な見解を述べさせていただきます。歯科医師の見解および治療方針にご納得いただけた場合は、当院にて修正治療を行うことも可能です。