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受け口がもたらす体への影響

2024年11月10日


下顎の歯並びが上顎よりも前方へ出ている「受け口」。反対咬合とも呼ばれるこの症状は、見た目に問題があるだけでなく、さまざまなトラブルの原因になることも。そこで今回は、受け口が及ぼす影響や、矯正による治療のメリットなどについて詳しくお話ししていきます。


1.受け口(反対咬合)とは

受け口(反対咬合)は不正咬合の一種であり、奥歯で噛んだ際に下顎の歯が上顎の歯よりも前に出ている状態を指します。通常、正常な歯並びでは上顎が下顎よりも前に位置していますが、日本人は上顎よりも下顎の骨格が大きいことが多く、欧米人に比べて受け口になりやすいとされています。


受け口の特徴は、乳歯が生え揃う3歳頃から現れ始めますが、乳児期の反対咬合は成長と共に自然に改善されることが多いため、直ちに治療が必要なケースは少ないです。しかし、永久歯が生え揃う13歳から15歳の時期に反対咬合が見られる場合は、自然に治癒することは少なく、注意が必要です。


受け口の治療を開始する理想的な時期は、永久歯への生え変わりが始まる8歳から9歳頃とされています。この時期に治療を行うことで、第一期矯正治療のみで効果が得られる可能性が高まります。ただし、思春期に下顎の成長が進むと再発のリスクもあるため、その場合は中学生以降に二期治療を行ったり、顎の成長が過剰な場合には外科手術を検討することもあります。したがって、受け口の治療は短期的なものではなく、長期的な経過観察が重要です。


2.受け口であることのデメリット

受け口を放置すると、口腔内の問題を引き起こすだけでなく、健康にも多くの影響を及ぼす可能性があります。
 


2-1 .咀嚼がしにくくなる

受け口を放置すると、噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。適切に咀嚼できないだけでなく、しっかりと噛むことができないために唾液の分泌が減少し、満腹感を得にくくなることがあります。その結果、過食や消化不良を引き起こすことも考えられます。
 


2-2.発音に影響が出る

言葉の発音は、舌の位置やその動きによって左右されます。受け口の状態では、舌が通常の位置よりも前に出ていることが多く、そのため特にサ行、タ行、ダ行の発音が不十分になり、舌足らずな音になってしまいます。さらに、日本語だけでなく英語の発音にも悪影響を及ぼすとされています。
 


2-3.顔の印象が変わる

受け口は外見に対しても影響を与えることが特徴です。下顎が前に出ているため、いわゆる「しゃくれ」として顎が際立ち、コンプレックスを抱く方も多いです。
 


2-4.顎関節症や体の歪みの原因となる

受け口が原因で噛み合わせが不良になると、顎の骨に過度の負担がかかります。この状態を放置すると、症状が悪化し、口を開けた際にカクカクと音がしたり、痛みを伴う「顎関節症」を引き起こす可能性があります。また、噛み合わせの不良は口腔内にとどまらず、頭部や首、背骨、腰の歪みを引き起こす要因ともなります。これにより、頭痛や肩こり、腰痛が生じるだけでなく、血行不良が自律神経に影響を与えることもあるため、十分な注意が必要です。


3.子供の受け口に対する矯正治療

子供の受け口は、噛み合わせの高さが低下し、下顎の前歯が上顎よりも前に出ている状態を矯正治療によって改善します。特に永久歯が生え揃う前の段階で受け口の矯正を行う際には、ムーシールドと呼ばれる装置を使用することがあります。この装置は主に就寝時に装着するマウスピースであり、乳歯の段階から使用することで顎の成長を正常に促すことが可能です。


4.大人の受け口に対する矯正治療

子供の受け口に対する矯正治療は、手術や抜歯を行わずに顎のサイズを調整することが可能ですが、骨格の成長が完了している成人の場合は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を用いて上下の前歯を適切な位置に整える必要があります。重度の受け口の場合は、外科手術によって顎の骨を削るなどの処置が求められることもあるため、受け口は早期に発見し、治療を開始することが望ましいです。


受け口の治療には多くの利点があります。受け口による噛み合わせの不具合や見た目の悩みを抱えている方は、初回のカウンセリングが無料の当院にお気軽にご相談ください。