こんにちは。稲沢 下津宮西町の稲沢矯正歯科クリニック、院長の吉廻 守(よしざこ まもる)です。
「歯列矯正をするとほうれい線ができる」──そんな噂を聞いたことはありませんか?
実はこの噂、必ずしも正しいわけではありません。
歯列矯正とほうれい線の関係は複雑で、人によって結果は異なります。矯正によって顔のバランスが整い、むしろほうれい線が目立たなくなるケースもあるのです。
しかし、矯正治療中に「ほうれい線が気になるようになった」と感じる方もいるのは事実です。
そこで今回は、矯正とほうれい線の関係や、気になるときの対策についてわかりやすく解説します。
目次
歯列矯正とほうれい線の関係
まず知っておきたいのは、ほうれい線とは頬と口元の境目にできるシワのことです。加齢で目立ちやすくなりますが、加齢だけが原因ではありません。肌の乾燥や紫外線、喫煙、そして表情筋の衰えなども影響します。
歯列矯正は歯並びを整える治療ですが、口元の形や顔全体のバランスが変化することで、ほうれい線が一時的に目立つ場合があります。特に出っ歯を矯正して歯を後ろに動かす場合、口元の突出感が減ることで頬の皮膚が少したるみ、ほうれい線が目立つことがあります。
重要なのは、「矯正によってほうれい線ができる」のではなく、「目立つようになることがある」という点です。また、矯正は1~3年かかる治療なので、その間に加齢や筋力低下の影響でほうれい線が目立つこともあります。
矯正中にほうれい線が目立つ主な原因
矯正中にほうれい線が気になる場合、主に次の4つが関係しています。
1.口元の突出感が減り頬がたるむ
出っ歯の方は、前に出ている歯が皮膚を支えている状態です。矯正で歯を後ろに下げると、口元の張りが減り頬の皮膚がややたるむことがあります。特に抜歯を伴う矯正では、歯列の後退によってたるみが起こりやすくなります。
2.矯正中の食生活の変化
装置があることで硬いものや粘着性の食品が食べにくくなり、柔らかいもの中心になりがちです。タンパク質やビタミンCなどが不足すると肌の弾力が低下し、ほうれい線が目立ちやすくなります。
3.表情筋の衰え
装置の影響で口を大きく動かしにくくなるため、表情筋の使用量が減って筋肉が衰えることがあります。また、舌の正しい位置もほうれい線に関係します。舌が正しい位置にないと口周りの筋肉が使われず、シワが深くなることがあります。
4.加齢の影響
ほうれい線は自然に現れるものなので、矯正開始年齢が高いほど目立ちやすくなります。
矯正中にほうれい線を予防する方法
矯正中にほうれい線を目立たせないためには、日々のちょっとした工夫が大切です。
1.バランスの良い食事
肌の健康を保つために、タンパク質やビタミンC、ビタミンEなどを意識して摂りましょう。柔らかいものばかりにならないよう、栄養バランスを意識することが大切です。
2.表情筋トレーニング
口を大きく動かすトレーニングで表情筋を鍛えると、ほうれい線の予防につながります。簡単な方法を紹介します。
- あいうべ体操:「あ・い・う・べ」と大きく口を動かして発声
- 舌回し体操:舌を口の中でぐるりと回す(歯に装置がついている場合は注意)
3.マッサージや保湿
口元の血流を良くするマッサージや、しっかり保湿することで肌のハリを保ちます。
4.姿勢や呼吸にも注意
猫背や口呼吸は表情筋の衰えにつながるため、姿勢を正しく保ち鼻呼吸を意識することもおすすめです。
まとめ
歯列矯正とほうれい線の関係は一概には言えません。矯正で口元や顔のバランスが整うことで、かえってほうれい線が目立たなくなるケースもあります。しかし、口元の変化や筋力低下、加齢の影響で一時的に目立つこともあります。
矯正中は、栄養バランスの取れた食事、表情筋のトレーニング、保湿やマッサージを意識することで、ほうれい線の予防につながります。気になる方は、矯正治療と併せて日常生活でのケアを取り入れてみましょう。
稲沢矯正歯科クリニックでは、矯正中のお悩みにも丁寧にカウンセリングすることを心がけています。
どんなことも遠慮せずにどうぞお気軽にご相談ください。