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稲沢矯正歯科クリニックBLOGBlog

妊婦さんの歯周病は赤ちゃんにまで影響が!

2025年1月30日


歯周病は一般的に高齢者に多い病気と考えられがちですが、実際には20代後半や30代の若い世代でも罹患するケースが少なくありません。特に女性においては、妊娠中に発症しやすい歯周病が存在します。
今回は、妊娠中に特に注意が必要な歯周病の特徴と、その健康への悪影響についてお話ししていきます。


目次

妊娠中にかかりやすい歯周病とは

歯周病は、特定の細菌による感染症であり、いくつかの細菌がその原因として確認されています。その中には、女性ホルモンを栄養源として増殖する歯周病菌が存在し、妊娠中に女性ホルモンのレベルが急激に上昇することにより、歯周病にかかる人が増加します。


妊娠中は、女性ホルモンの量が通常の100倍以上に達することがあるとされ、口腔内でもその影響が見られます。そのため、歯茎からの出血や腫れを感じる人が増える傾向にあります。


さらに、妊娠中は唾液の性質が変化し、粘度が増すため、口腔内の細菌が洗い流されにくくなり、歯周病菌が増加しやすくなります。また、つわりの影響で歯磨きが億劫になることも、歯周病の発症や悪化を助長する要因となります。


妊娠期の歯周病は胎児に悪影響を与える

妊娠中に歯周病に罹患し、その状態が悪化すると、早産や低体重児の出産リスクが増加する可能性があることが明らかになっています。
 


早産

歯周病が原因で歯茎に炎症が生じると、炎症性物質が生成され、血管を通じて血液中に流入します。この炎症性物質が最終的に子宮に到達すると、胎盤に影響を与え、分娩が促進されることで早産を引き起こす可能性があるとされています。
 


低体重児出産

歯茎に炎症が生じて出血がある場合、破れた血管を通じて歯周病菌が血流に侵入します。この歯周病菌は全身に広がり、最終的には胎盤に到達して感染を引き起こす可能性があります。その結果、胎児の発育に悪影響を及ぼし、体重が2500g未満の低体重児が生まれるリスクがあるとされています。


妊娠期に歯周病を予防するために

妊娠期は歯周病のリスクが高まるため、家庭でのケアを強化することに加え、歯科での定期的な検診や治療を受けることが重要です。


家庭でのケア

妊娠中は食生活が不規則になりやすく、歯磨きが疎かになることがありますが、口腔内のトラブルのリスクが通常よりも増加しています。そのため、口腔内を清潔に保つことを意識する必要があります。 具体的には、食後にこまめに歯を磨くことや口をすすぐこと、特に就寝前には丁寧に歯磨きを行うことが推奨されます。


歯医者でのケア

妊娠中は口腔環境が急速に悪化することが多く、多くの妊婦が口腔内の問題を感じるようになります。妊娠が判明した際には、まず歯科検診を受けて口腔内の状態を確認してもらうことが大切です。歯周病のケアは妊娠中でもほとんどの場合可能であり、つわりがひどい場合は安定期に治療を受けることも選択肢となります。