熱い飲み物や冷たい食べ物を摂取した際に、歯にしみる感覚を経験したことはありませんか?
このような場合、多くの方が「知覚過敏かもしれない」と考えるかもしれません。しかし、この症状はそれだけに限らない可能性があります。
食べ物や飲み物に含まれる酸によって歯が侵食される「酸蝕歯」という状態が原因であることもあります。
そこで、今回は酸蝕歯について詳しくお話ししていきます。
目次
酸蝕歯とは
酸蝕歯とは、文字通り酸によって歯が侵食される現象を指します。この用語は日本ではあまり一般的ではないかもしれませんが、広く知られている虫歯や歯周病といった歯の病気に次ぐものと考えられています。特に酸性の高い食事が多い欧米では、よく認識されている疾患です。
現在、酸蝕歯の認知度は低いものの、日本においても食生活の変化に伴い、最近の調査では成人の約25パーセントがこの状態にあることが示されています。このことから、他人事ではなくなってきているかもしれません。
歯磨きで予防!
日々の歯磨きによる予防策についてお話ししていきます。
歯磨きのタイミング
虫歯を予防するためには、食後すぐに歯磨きをすることが効果的だとされていますが、特に酸性の強い食品を摂取した直後には、うがいなどで口をすすぐだけに留め、歯磨きは食後30分程度経ってから行うことが推奨されます。これは、食事直後は酸によって歯の表面が柔らかくなっているため、その状態で歯ブラシを使って強く磨くと、歯が摩耗してしまうからです。約30分後には唾液の働きによって歯のエナメル質が回復し始めるため、このタイミングで歯磨きを行うことが望ましいです。
歯磨き粉
歯磨き粉は研磨剤が少ないものを選ぶことが重要です。特にホワイトニング用の歯磨き粉には研磨剤が多く含まれているため、注意が必要です。また、酸蝕歯のケアに適した歯磨き粉も存在します。
実はガムも予防効果があり!
食後30分間待ってから歯磨きをするのが難しい場合は、ガムを噛むことが有効です。ガムを噛むことで唾液が分泌され、口内の酸を中和し洗い流す効果があります。この方法であれば、習慣化しやすいかもしれません。噛むガムは、再石灰化を促進するものを選ぶことが望ましいです。
ここで述べたような歯磨きの方法やガムを噛む習慣を取り入れて予防に努めても、残念ながら一度酸蝕歯になってしまうと自然に回復することはありません。池田歯科で適切な治療を受けることが重要です。