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お口ポカンについて

2024年7月30日


みなさん矯正治療楽しんでますか?

「お口ポカン」という表現は可愛らしい響きを持っていますが、これは医学的には『口唇閉鎖不全』と呼ばれます。この状態は、食事や会話などの口の機能が十分に発達していない病気である口腔機能発達不全症の一種であり、正式な病気です。
今回は、そんなお口ぽかんについて説明していきます。
 

目次

1.ポカン口とは?

テレビを見たり、ゲームをしたりしているときに、お子さんの口がポカンと開いていることはありませんか?その姿はとても可愛らしいですが、年齢を重ねるにつれて、どうしても「だらしない」というイメージに変わってしまいます。また、見た目の問題よりも重要なのは、歯並びへの影響です。舌癖や口呼吸が併発していることも多く、これらを改善する必要があります。
 


2.ポカン口の原因について

現代の食生活の変化が、子供の舌や口周りの筋肉の弱化に影響を及ぼしています。柔らかい食事が主流となり、咀嚼の機会が減少することで、筋肉の発達が妨げられているのです。


したがって、乳幼児期から適切な食習慣を身につけることが非常に重要です。4~5歳頃からは、噛みごたえのある食材を意識的に取り入れることが推奨されます。また、1口あたり30回噛むことを目安にし、しっかりと噛んで食べる習慣を育むことも大切です。


幼児期に注意を払うことで、あごの健全な発達が促進され、口を開けたままの状態を防ぐことにもつながります。
 


3.お口ポカンを放置するリスク

お口ポカンを放置すると、さまざまな問題が発生するリスクが高まります。


たとえば、お口が開いたままになると、口の中が乾燥して唾液の分泌が減少し、細菌の繁殖が促進され、むし歯や歯肉炎、口臭のリスクが高まります。また、お口ポカンは舌の機能低下につながり、舌癖がついてしまう可能性があります。


特に、舌が下あごに位置している「低位舌(ていいぜつ)」と呼ばれる状態は、上あごの成長を妨げ、噛み合わせや歯並びに悪影響を及ぼします。さらに、お口が開いたままだと、冷たく乾燥した空気が直接肺に入りやすくなり、風邪を引きやすくなったり、唇の乾燥や荒れを引き起こす可能性があります。


お口ポカンは全身の健康にも影響を及ぼすため、早めの対策が重要です。
 


4.お口ポカンの対策トレーニング

お口ポカンは、舌や口周りの筋力低下によって引き起こされるため、以下のようなトレーニングで対処できます。以下に、自宅で行える簡単なトレーニング方法を3つ紹介します。
 


4-1.風船を膨らます

実際、風船を膨らませることができる子供が減っているという事実をご存知ですか?口周りの「口輪筋」という機能が低下しており、約2人に1人の子供が風船を膨らませることができないのです。フーセンガムや風船を膨らます動作は、唇や頬の筋肉を使います。継続することで筋力アップにつながります。
 


4-2.あいうべ体操

1:「あー」と発声しながら、口を大きく開けます。

2:「いー」と発声しながら、口を横に大きく広げます。

3:「うー」と発声しながら、口を強く前に突き出します。
4:「べー」と発声しながら、舌を下に向けて突き出します。舌の筋肉を鍛える効果があります。

これを1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けることです。お口周りの筋肉が強化され、お口ポカンの改善につながる可能性があります。
 

5.まとめ

子供の口腔の健康は将来的な健康状態に影響を及ぼすため、口唇閉鎖不全症(お口ポカン)には早期に対処することが不可欠です。適切なケアやトレーニングを行うことで、口腔機能の発達を支援していきましょう。