みなさん矯正治療楽しんでますか?
こんにちは。稲沢 下津宮西町の稲沢矯正歯科クリニック、院長の吉廻 守(よしざこ まもる)です。
突然ですが、キシリトールという言葉を聞いたことがありますか?
ガムやタブレットの商品名としても使われており、歯に良さそうなイメージがありますよね。
しかし、具体的にどのようなものであり、どんな効果があるのか、どの商品を選べば良いのか、分からない方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな方々のために、キシリトールについて詳しく解説していきます。
目次
キシリトールとは
キシリトールは、主に白樺や樫の木などに含まれるキシラン・ヘミセルロースという成分を原材料にして作られた天然の甘味料です。その甘みは砂糖と同程度でありながら、カロリーはその4分の3しかありません。厚生労働省によって食品添加物として認可されているほか、世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)もその効果を認めています。
キシリトールの虫歯予防効果
フィンランドでは、歯磨きやフッ素の他に食後にキシリトールを摂取することで、国民の虫歯が著しく減少しました。このことから、キシリトールは虫歯予防に有効であると考えられています。歯の健康を維持する手段としては、適切なブラッシングやフッ素の利用、バランスの取れた食生活、定期的な歯科検診などが基本です。ただし、キシリトール単独では虫歯予防にはつながりません。しかし、他の方法と組み合わせることでその効果が飛躍的に向上し、歯科的に非常に有益な甘味料となります。虫歯予防の観点から考えると、キシリトールは最も効果的な甘味料の一つです。
キシリトールの効果
1-1.プラーク中の虫歯菌を減少させる
キシリトールには、虫歯菌の活動を抑制する作用もあります。虫歯菌は砂糖を餌として利用しますが、キシリトールをエネルギー源として使用することができないため、死滅してしまいます。
1-2.歯の再石灰化を助ける
ミュータンス菌は砂糖を餌にして酸を生成します。この酸によって歯が脱灰され、その結果、虫歯が発生します。唾液には酸を中和する治癒力があり、これを再石灰化と呼びます。しかし、キシリトールを餌とすることができないミュータンス菌は、酸を生成しません。そのため、口内の酸性度が低下し、歯の表面が脱灰されることが防がれます。さらに、唾液による再石灰化もより効果的に行われるため、虫歯の予防に役立ちます。
1-3.唾液の分泌を促してくれる
キシリトールには、ひんやりとした冷涼感があり、さらにガムを噛むことで唾液の分泌量が増加します。唾液には口の中を清潔に保つ効果があり、再石灰化と共に虫歯菌を洗浄する働きもあります。口の健康を維持する上で、これらは非常に重要な役割を果たします。
キシリトールガムの効果的な食べ方
1日3回、毎食後にキシリトールを噛むのが効果的です。歯磨きの前に摂取することで、歯磨きの効果を高めることができます。また、歯を強化したい場合は歯磨き後にも摂取することがおすすめされますが、どちらでも構いません。
重要なのは、キシリトールの虫歯予防効果を発揮するために、1日3回、5分程度、3ヶ月以上毎日続けることです。毎食後にキシリトールを摂取するのは効果的ですが、就寝前にも追加で摂取することが有効です。ただし、キシリトールガムを噛むことが歯磨きを代替するものではないことに留意してください。キシリトールは歯磨きを補助するものであり、正しい歯磨きの後に摂取することで予防効果が期待できます。
虫歯予防に効果のあるキシリトール製品
キシリトール製品を選ぶ際には、その成分分析表や栄養成分表を確認し、キシリトール100%で糖質0gとなっているものを選ぶようにしましょう。
一般に市販されている「キシリトール」と表示されている製品の中には、キシリトールが含まれているものの、その比率が低く、キシリトールの効果が十分に期待できないものもありますので、ご注意ください。
歯科専用のキシリトールと市販の商品の主な違いは、”キシリトールの含有量”です。歯科専用品のキシリトールには、甘味料としてキシリトールが100%配合されており、他の甘味料は含まれていません。一方、市販品ではキシリトール以外にも糖質が含まれているため、キシリトールの効果を十分に発揮することが難しい場合があります。
キシリトール摂取だけでは虫歯の予防効果は期待できません
虫歯を予防するには、歯磨きや食事に気をつけることが大切です。定期的な歯科検診も忘れずに行いましょう。
さらに、キシリトールやフッ素などのアイテムを活用すると、効果的に虫歯予防ができます。